それがここまで成長したのは、ふるさと納税ポータルサイトの登場が大きかったと言えるだろう。2012年にトラストバンクが「ふるさとチョイス」をスタート。自治体や返礼品を一覧でき、寄付額に応じた検索もできるようになった。
さらに2015年には「ワンストップ特例制度」が始まり、確定申告が不要に。控除限度額の引き上げもあり、一気に寄付額が跳ね上がる。続々と新たなポータルサイトが参入し、「魅力的なお礼の品が受け取れる」とアピール。一見するとネットショッピングサイトと見分けがつかないほどになった。同時に始まったのが返礼品競争だ。
もぐらたたきのような総務省の指導がついに…
多くの寄付が集まれば、それだけ自治体の税収は潤う。そのために自治体は返礼品の豪華さを競うようになっていく。目立たなくては寄付が集まらないと、一時はアマゾンギフト券やiPadまでが返礼品として登場した。
その後のいきさつはご存じの通り。自治体が派手に打って出ると、総務省がそれはけしからんと厳しく取り締まる通知を出すイタチごっこが繰り返される。金券など換金性の高い品はNG、返礼割合は3割以下でないとダメ、昨年の10月からは返礼品として認める地場産品の基準を変更した。
熟成肉と精米は同じ都道府県で生産されたものを原材料にする場合のみ地場産品として扱うよう厳格化したのだ。肉とコメは人気の返礼品だけに、産地と非産地の格差も大きい。それがダメになれば、また抜け穴を考えるのが人情というもの。総務省はもぐらたたきのように問題児を潰してきたようにも見える。
とはいえ、ここまではあくまで総務省VS自治体のラウンド。我々ふるさと納税の利用者は外野で眺めていただけだ。が、他人事ではない事態が起きた。「ポイントの禁止」である。
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