アマゾン参入で「ふるさと納税」に起こる大変化 税金を喰い荒らすふるさと納税ビジネス「前編」
「アマゾン、ふるさと納税に来春にも参入へ」──。
3月11日、朝日新聞がそう報じると、かいわいに激震が走った。アマゾンといえば、米国に本拠を置くECプラットフォームの巨人だ。アマゾンがふるさと納税の仲介サイト業に参入するとなれば、業界の勢力図が大きく変化することは間違いない。
ふるさと納税による寄付額は年々増加を続け、2022年度には9654億円に上った。23年度は1兆円を超えたことが確実視されている。1兆円市場になったことで、うまみがあるとみた「黒船」が襲来した。
現在、仲介サイト業では国内大手4社がシェアを争っている。
「ふるさとチョイス」「楽天ふるさと納税」「さとふる」「ふるなび」の4サイトだ。「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクの親会社であるチェンジホールディングス、「ふるなび」を手がけるアイモバイルの株価は、アマゾン参入が伝わった3月11日、それぞれ16.4%、11.0%下落した。
自治体向けの営業をスタート
アマゾン側は参入を公式に表明しておらず、東洋経済の取材に対して「お答えできることはありません」としたが、参入に向けて自治体へのプラン提案など営業を始めている。ある自治体のふるさと納税担当者によると、アマゾンは自治体に対して2つのプランを提案している。
1つは既存業者と同様に、寄付額の10%程度を仲介手数料として自治体が支払う通常プラン。もう1つが、初期手数料250万円を支払うことで、仲介手数料を寄付額の3.8%に抑えられるプランだ。
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