スマホの子供への悪影響は保護者の使い方だった 子供の使用時間と心の成長に関連は見られなかった

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また、保護者自身のデジタルメディア利用状況も尋ねました。さらに、物語に登場するキャラクターの感情について子供に質問したり、子供と話をしたりするかなど、子供との感情的関わりを保護者がどの程度持っているかについて尋ねました。

調査の結果、次のことがわかりました。

子供のデジタルメディア使用時間と子供の感情理解度・共感力・感情調整力に関連は見られませんでした。つまり、デジタルメディアの使用時間は、感情に関わる心の成長に悪影響を与えるわけではないようです。

この研究では、デジタルメディアのコンテンツは問うていないのですが、暴力的な映像を笑顔で楽しむ子供とその後の子供の暴力的行為に関連を見いだす研究などがあることから(例えば、Ekmanら, 1972)、使用時間よりコンテンツに気をつけたほうがよさそうです。

子供の前で注意が分散され、無表情になる

一方で、保護者が子供のいるところで携帯電話を使用するほど、子供の感情理解度が低くなることがわかりました。ミュルスキーら(2018)の研究から、保護者が子供の前で携帯を使うとき、注意が分散され、無表情になることがわかっています。

このことと併せて考えると、子供は自身の言動や行為を保護者にちゃんと見てもらえず、保護者から有益な反応も得られず、ゆえに心の成長にとって必要な感情的関わりが希薄になると想像できます。

国立青少年教育振興機構による調査(2018)によれば、「私が、親と話そうとするとき、親は『時間がない』、『いま忙しい』などと言う」という設問に対し、「よくある」「たまにある」と回答した小学生の割合は44.1%、中学生の割合は36.5%となっています。

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