「生前、女性が部屋に入ろうとすると、旦那さんはきっと怒ったんでしょう。まるで結界を張っているかのようでした」
ドアを開けると約20畳と広めの部屋には、お経が書かれたお札が部屋中にぶら下がっていた。それも、前も見えないほどにびっしりと。そのお札が意味するものがわかれば、多少は受け止めることができたかもしれない。しかし、夫はもうこの世にいなければ、妻はお札の存在すら知らない。
約10年間、ゴミ屋敷清掃の現場に携わっている二見氏には、一度だけ腰を抜かすほど驚いた出来事がある。ゴミ屋敷になった団地の一室を片付けていたときのことだ。
その団地は取り壊しが決まっていたが、ゴミ屋敷になった部屋の住人が居座り、行政代執行が適用された。だが、住人は部屋を放置したまま別の場所に引っ越していた。
作業開始から3時間が経過したころ、黙々と作業をする中、和室にある押し入れの襖を開けると、そこには空き家に住み着いたホームレスの男性が座っていたのだ。
「ここの人ですか? どちらさんですか?」と二見氏が尋ねると、「違います」と一言。以降は何も話さなくなってしまった。
「なんとか出ていってもらいましたが、3時間も気付かずに作業をしていたので、見つけたときの恐怖はより大きかったです」
呪術師の家にあった「動物の骨らしきもの」
しかし、“人ではない”存在に脅かされる現場もある。
関西地方の某所。ここには占い館が軒を連ねることで知られている。現地を訪れた筆者が目視で数えただけで30軒以上の占い館がある。
「現存する占い館で一番古い」と自称する男性占い師いわく、この場所は、近くにある神社の存在にあやかり、約50年前に一人の占い師が占い館をオープン。10軒ほどまで店舗を増やすと、同じように占い館を開業する占い師がどんどん増えていったのだという。
最盛期は80軒以上の占い館が並んでいたというが、人気商売だけあって入れ替わりも激しい。あるとき、店を畳むことになった呪術師から、イーブイに連絡が来た。
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