北朝鮮戦の逆転負けは「必然」だった セルジオ越後に聞く「日本サッカーの問題点」

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日本サッカー協会とトルシエの間には常に緊張感があったし、メディアもトルシエ擁護派とトルシエ懐疑派に分かれ、論陣を張り合っていました。そうした緊張感が今は皆無で慣れ合いのようになっています。これではハリルホジッチにやりたい放題されますよ。

――もし、トルシエ時代にシンガポールと引き分けていたら、更迭されていたかもしれませんね。

そうなんです。もちろん、当時は予選が免除されていたから強化マッチをたくさん組めたという実情があったけど、日本サッカー界として「開催国がグループステージで敗退してしまったら大恥をかく。なんとしても決勝トーナメントに進出したい」という思いがあり、なりふり構わず強化したはずです。

大惨敗でも誰も責任をとらなかったブラジルW杯

もし、日韓大会で惨敗していたら、さすがの日本でも責任問題を追及され、誰かが責任を取っていたと思います。でも、アウェー開催では、はなから結果を出せなくても仕方ないと考えられているのか、誰も責任を取る気がないし、責任問題を追及されることもない。

その最たる例が、大惨敗に終わった2014年のブラジル・ワールドカップです。ザッケローニを監督に指名した原博実日本サッカー協会技術委員長兼専務理事(当時)が責任を取らずに、何食わぬ顔で後任にアギーレを任命し、自らは専務理事に専念することで切り抜けた。アギーレ(前監督)の八百長問題でも誰も責任を取っていませんから。

ワールドカップはホームよりアウェーのほうが結果を出すのが圧倒的に難しい大会です。本来ならアウェー開催では日韓大会以上の強化をしなければならないのに2002年以降、強化の質が下がってきています。興行が優先され、本当の強化ができていないのです。

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