「厄介な問題」を定義した数学者のホルスト・リッテルは、「厄介な問題」の特徴として次の10を挙げている。
特徴② 「解けた」という状態が見分けられない
特徴③ 客観的な正誤は存在せず、「まあまあ好ましい」(better)か「好ましくない」(worse)かしかない
特徴④ テストする術がない
特徴⑤ どんな解決策も一時的な操作にすぎない
特徴⑥ 要素分解できず、操作しようにも説明する術がない
特徴⑦ それぞれがほかに存在しない固有の問題である
特徴⑧ 別の問題の症状として発現している(解決を行っても、新たな問題が生じることは避けられない)
特徴⑨ さまざまな切り口で説明できても、全貌はつかめない
特徴⑩ 計画する者は間違いを許されない
ビジネスを取り巻く環境は、たんなる経済的な要因だけでなく、地政学的要因、気象学的要因、疫学的要因など、ビジネスとは直接的には関係のない多様な要因に大きな影響を受けるようになっている。
たとえば、企業活動におけるサプライチェーンはグローバル化が進んでいる。
関係する国が限定される地産地消のビジネスモデルであれば、発生する問題は比較的シンプルだが、サプライチェーンが地球規模になれば、地政学的リスクや異常気象の影響を大きく受けることになる。
それぞれの問題に見合った解決法を
「シンプルな問題」や「複雑な問題」を解決するのはもはや当たり前のことであり、「新しい現場力」は「厄介な問題」に対処しなければならないのだ。
もちろん、「シンプルな問題」や「複雑な問題」を軽視していいというわけではない。
「人づくり」という観点からも、問題解決力はステップアップしながら磨かなければならない。
しかし、「複雑な問題」を解決できるからといって、現場力が高いことにはならない。
「正解」のない「厄介な問題」に対処できる現場力こそが求められている。
日常的に問題が発生している現場自らが、当事者としてそれらの問題を真正面から見据え、知恵を出し、創意工夫し、解決するボトムアップの力が求められる。
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