現場力とは「現場に内包されている問題解決力」のことである。
目まぐるしく変化が起きつづけるいまだからこそ、変化にさらされている現場自らが問題解決に取り組む必要がある。
企業の変化対応力とは、ボトムアップの力にほかならない。
しかし、日本企業が置かれている状況、これからとるべき戦略の方向性によって、その力点の置き方や方法は変わってくる。
問題は「3つのタイプ」に分類される
一般的に問題とは、次の3つのタイプに分類される
解決すべき問題と解決方法が、それぞれ明確に定義可能な問題。
変数が少なく、具体的な解決策も出そろっており、客観的な正誤の判断が可能。
解決すべき問題も解決方法も複雑で、それらを定義するところから始めないと解決できない問題。
しかし、論理的に問題の構造を解き明かしていけば、試行錯誤に時間はかかっても、解決が可能。
問題が複合的な要因で形成されていて、何が問題なのかを定義することすら困難な問題。
多数の因果関係が絡み合っていて、「そもそも何をもって解決したとするのか」を定義するのかが困難。
「③厄介な問題」の具体例としてよく取り上げられるのは、地球環境問題や貧困、いじめ、大規模災害などの社会問題である。
ビジネスの世界でも、「厄介な問題」は間違いなく増えている。
たとえば、「小分けシャンプーのジレンマ」はよく知られる例だ。
先進国の企業は発展途上国の経済的に恵まれない人たちが買えるようにと、小さな包装の小分けされたシャンプーを使い切りの形で売っている。
そのこと自体は途上国の人たちにとってありがたいことであるが、その包装のゴミが大量に捨てられている。
途上国にはリサイクル処理施設はなく、捨てられた大量のゴミは生活環境を悪化させ、地球環境に負の影響を与えてしまう。
貧困のため大きなボトルのシャンプーを買えない人たちの衛生の問題は解決したが、それが別の大きな問題を引き起こしてしまう。
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