念願の完全民営化へ、JTが最後の詰めに必死

拡大
縮小

JTがここまで力を入れる理由はほかにもある。JT法で増資には政府認可が必要で、認可後も政府の出資比率が3分の1を下回ることができず、資金調達は必然と制約がある。たばこ価格も認可制だ。一方、海外勢は民営。安いコストで原料調達し資金調達も自由だ。JTが、「イコールフッティングで勝負したい」と言うのはそのためだ。

市場も政府の株売却に踊る。報道が出た翌日の9月28日のJT株は一時3年ぶりの高値をつけた。ジャパンインベストの大和樹彦アナリストは、「昨年の増税値上げ後も予想外に販売本数が減少しておらず業績も堅調。今後足かせが消えれば、増配や積極的な投資が期待でき、JTは非常に魅力的」と指摘する。

さまざまな関係者の思いが交錯するJT株。どう決着するのだろうか。

JT力の業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]


(本誌:麻田真衣 撮影:吉野純治 週刊東洋経済2011年10月15日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT