1つは、7年前の2017年に入手した新潟・佐渡島にある物件であり、もう1つは2019年3月に手に入れた兵庫・淡路島の物件です。この2つは、島投資のケーススタディとしても学びの多い案件といえそうですから、その取り組み方を要点を整理してお伝えしておきます。
山も一緒に引き取ってくれないか?
佐渡島の物件は、自分で住むための家を少しでも安く入手するために、不動産会社の担当者と粘り強く交渉している過程で、「山も一緒に引き取ってくれるなら、一戸建ての家をもう少し安くできる」と持ちかけられた初めてのケースでした。
その家は、床面積が200平方メートルくらいあり、物置や土間が広い3DKの古い一戸建てで、販売価格は200万円でしたが、粘りに粘って交渉を続けたことによって、4分の1の50万円まで値段が落ちてきたときに、山の話が持ち出されたのです。
詳しく話を聞いてみると、交渉している一戸建ては、その山のエリア内にあったのですが、家を手放しても山の固定資産税が発生し続けるため、できれば山も一緒に引き取ってくれないか……という提案でした。
僕はその提案に対して、「山の固定資産税が年間3000円くらいかかりますから、その80年分の24万円を先にもらえれば、山と家を一緒に買います」と、逆提案をしてみました。交渉の結果、3DKの家と300平方メートルの山を、販売価格の10分の1となる20万円で手に入れることができたのです。
この家は多拠点生活の1つとして1年ほど持ち続けましたが、どうしても持ち続けることができませんでした。
その理由は、佐渡島に行くためには、新潟港から佐渡市の両津港まで2時間30分ほどカーフェリーに乗る必要があるため、毎回、酷い船酔いに苦しめられたことと、必ずオバケに遭遇したため、行くのが怖くなってしまったのです。
佐渡島の家と山は、僕がこれまでに手放した唯一の物件ですが、不動産会社に頼んで売り出してもらったところ、90万円で売却することができました。わずか1年の所有でしたが、不動産会社の手数料や税金を引いても、少なからぬ利益が手元に残ったのです。
もう1つの淡路島の家は、売り主から「お金をもらって物件を引き取る」というマイナス物件の第1号となった物件です。
親しくしている不動産会社の人から、「80万円を支払うから、土地と建物を引き取ってくれないか」と話を持ちかけられて、悪戦苦闘の末に手に入れた物件です。
この物件は、元々が炉端焼き店だった店舗兼住宅で、建物はオンボロでしたが、洲本市の中心地という好立地にあるため、土地評価額は400万円くらいありました。
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