島投資に投資家が魅せられ、はまった"いきさつ" 「家」を購入したら、もれなく「山」もついてきた

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土地と建物の持ち主が違ったり、固定資産税評価額と課税額が異なるなど、複雑な事情が絡み合っていたため、売りたくても売れない物件でした。僕がもらった80万円というのは、その煩雑な手続きを引き受ける迷惑料みたいなものです。

淡路島の法務局まで何度も足を運び、複雑な登記手続きに相当な時間を取られることになりましたが、ようやく自分のものになって、家賃1万円の格安住宅として貸し出したところ、2020年の年末に爆弾低気圧が来て、ボロボロだった壁がすべて抜け落ち、居住者の方に退去してもらう状況になってしまったのです。

この物件には驚きの後日談があります。壁が崩れた家は、撤去するだけでも相当な費用が発生しますから、「どうしたものだろう……」と対応に悩んでいたところ、その土地を買いたいという不動産会社が現れました。その提示金額は、まさかの「450万円」だったのです。

その不動産会社に話を聞くと、僕の物件を450万円で買い、隣の土地も400万円くらいで買うことによって2つの区画を手に入れ、そこに一戸建てを作れば、3000万円くらいで売れる……というのです。

僕としては、渡りに船だったわけですが、80万円をもらって手に入れたマイナス物件が450万円で売れれば、トータルで「530万円」の利益となります。立地条件が良かったということもありますが、淡路島は山が多くて人が住める場所も限定的ですから、こうした値段になったのだと思います。

島投資が持つ無限の可能性を実感!

佐渡島と淡路島の物件は、最初から島を意識して買ったわけではありませんが、結果的に大きな利益に結びついたのは、そこが島であったことも大きく影響しているように思います。

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土地が限定的で、人が住めるエリアが限られるからこそ、わずか1年くらいの間でグンと値上がりしたと考えることができます。

その背景には、佐渡島と淡路島がビジネスの新たな拠点として注目を集めていることも関係しているようです。

佐渡島には、IT系やWEB系を中心とした数多くのベンチャー企業が進出して、次々とオフィスを構えています。淡路島では、人材派遣大手のパソナグループが本社機能を移転したり、大規模な観光レジャー施設を展開して、島の価値と注目度を高めています。

この2つの島の他にも、これから価値の高まる島が日本国内にあるはずです。僕は自分の実体験を通して、島投資がそれほど簡単ではないものの、無限の可能性があるに違いない……という確信を持つようになっていました。

永野 彰一 投資家・事業家

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ながの しょういち / Shoichi Nagano

1990年生まれ、東京都出身。早稲田大学法学部卒業。14歳の時に取得した「乙種第4類危険物取扱者」を手始めに、100を超える資格を高校在学中の2年間に取得。最年少取得記録を多数保有している。プロの雀士でもある。現在は不動産投資家として活動し、全国に数百の山や戸建て、アパートなどを所有。「山王」と呼ばれている。テレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』などメディアにも多数出演。著書に『一生お金に困らない山投資の始め方』など。

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