「経営」も「宗教」も本質理解できる"超スゴい理論" 「センスメイキング理論」って知っていますか?

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宗教と経営の共通点を考えるうえで最重要の経営理論のひとつが「センスメイキング理論」である。

日本企業の経営課題を考えるうえで、不可欠の理論だ。

 カギとなる経営理論「センスメイキング理論」

「センスメイキング理論」は、ミシガン大学の組織心理学者カール・ワイクが1980年代に提示した理論で、少し難しい話だが、この理論は科学哲学の「相対主義」に基盤を置く。

相対主義とは、「人々は完全には同じようにものごとを共通認識できない。なぜなら、人(=主体)と対象物(=客体)はある意味で不可分であり、主体の働きかけ方やその状況によって、主体ごとに客体の解釈が違ってくるからである」という立場をとる。

たとえばみなさんは、いま『宗教を学べば経営がわかる』という本を手にしている。そして日本のどこかにも、他に本書を読んでいる方がいる。

『宗教を学べば経営がわかる』書影
『宗教を学べば経営がわかる』(文春新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

すると、普通なら「読者はみな同じ本を読んでいるのだから、そこで得る学びは同じだ」と考えがちになる。

これを「実証主義」という。

人と客体〔本書〕が分離されているので、本書の内容を客観的に、正確に読めば、どんな人でもまったく同じ普遍的な学びを共有できる、という考え方だ。

しかし現実には、同じ本でも、そのときどういう心情で読んでいるかは、人それぞれ違う。

「自分がどのくらい経営に詳しいか」「宗教に詳しいか」でも本書の解釈は違うだろう。

1ページ目から読むか、途中から読むかでも、解釈・認識は違ってくる。

このように、「同じ本を読むのでも、読み手(=主体)の立場・心情や行動で、その本の意味づけや解釈はそれぞれ異なる、だから1冊の本に対しても、絶対的に普遍の共通認識はない」と考えるのが相対主義だ。

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