韓国バーガー「マムズタッチ」渋谷店の"秘策" ドンジョンCEO「コスパが重要な消費トレンド」

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4月16日のオープン後は、40日余りで累計来店者数10万人、売上高は1億円を計上したという。

重視したのはコストパフォーマンス

このたび、日本における戦略、そして今回の実績を踏まえた今後の展開について、マムズタッチを運営するマムズタッチアンドカンパニー代表取締役CEOのキム・ドンジョン氏に聞く機会を得た。

キム氏によると、日本進出にあたりもっとも重視したのがコストパフォーマンスだそうだ。

マムズタッチカンパニー代表取締役CEOキム・ドンジョン氏。延世大学経済大学院卒業後、市場調査専門機関や韓国マクドナルド、サムスン電子などを経て2021年より現職。同氏の就任後、飽和状態と言われていた韓国市場において、マムズタッチがロッテリアを抜き店舗数1位に躍り出た(撮影:尾形文繁)

「韓国でもそうだが、日本もコスパが重要な消費トレンドになっている。これまでのQSR※では体験できなかった、店での手作りの味わい、ボリューム、リーズナブルさを積極的にアピールする」(キム氏)

※QSR(Quick Service Restaurant):素早いサービスでファストフードなどの料理を提供するレストラン

確かに、サイバーガーひとつとっても、520円という価格に対してボリュームは十分以上。例えばマクドナルドのチキンフィレオは410円なのだが、見た目の厚みがまったく違う。

2大勢力のチェーンでは、一番低価格のバーガーがマクドナルドなら100円台(ハンバーガー170円、マックチキン180円)、モスなら200円台(ハンバーガー240円、チーズバーガー280円)。

渋谷店では、こうした低価格の商品ではなく、例えばビッグマックのような人気の高いバーガーを基準に考え、それよりも低くなるよう設定しているそうだ。

マムズタッチ店内。明るく開放感があり、テーブル間のスペースもゆったりとられている(撮影:尾形文繁)

こうしたコストパフォーマンスを可能にしているのが、「効率的なマーケティングによるコストの削減」だという。テレビCMは抑え、商品の競争力を強化するための投資に集中するというのが、キム氏の方針だ。

ボリュームだけでなく品質、つまり味についても、事前に競合他社商品約40種類との比較テスト、日本人を対象とした消費者テストなどを行い、日本人好みの味を追求したという。

日本市場における、もう一つの重要戦略が「スピード提供」だ。

まず、注文のプロセスをデジタル化。対面のほか、客のスマートフォンや店内2カ所のパネルから注文できるので、注文までの時間が短縮される。

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