夏野・ホリエモン、「東芝問題」をなで斬り! 「WORK RULES!」刊行記念"働き方"対談

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堀江:逮捕されると大変ですから……。市場がけっこう混乱するし。でも、1回きれいにしたほうがいいかもしれない。どうせ再上場できるでしょうから。

夏野:全然できますよ。白モノ家電は全然ダメだけど、重電は好調ですから。

堀江:ところで、夏野さんは今、何社の社外取締役をやっておられるのですか。

夏野:今7社を受けています。

堀江:社外取締役の人でも責任は大きいものですか?

夏野:めちゃめちゃ責任は大きい。社外取締役が株主代表訴訟の対象になる一番の標的ですから。

堀江:たとえば、東芝みたいなことをやっていたとしたら見つけられます?

夏野 剛(なつの・たけし)慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授。早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、2008年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、DLE、GREEの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバーでもある。

夏野:ある程度の土地勘がある業界でないとわからない。たとえばIT業界だと、どの指標がどのくらい金額に換算されるっていう勘がある。ユーザ数の伸びに対してこういう収益になっていて、コストはこれぐらいになっている、みたいなのは気づくんです。「なんかおかしい、これ何やってんの?」って。

堀江:夏野さんが、東芝の取締役になればよいのでは?

夏野:なりたくない(笑)。あえて引き受けるとすれば、社外取締役という立場よりは、この会社を再生させたい。日本のメーカーの問題点って、自社の技術にこだわるというか、シーズベースなんです。お客さまが喜ぶからこんな製品をなんとかつくろうじゃなくて、うちの会社にはこんな技術があるからと。

技術のオーナーシップとデザインの合体が重要

堀江:面白いのが、白モノ家電のバルミューダで、扇風機とか空気清浄機、最近はトースターとか。その空気清浄機を小米(シャオミ)がパクったって話題にもなっていましたね。バルミューダは優れたデザインで、トースターとか空気清浄機を再発明しているという意味では、ダイソンみたいな会社です。ダイソンは世界中に販売を広げていますが、バルミューダにはそういう雰囲気は全然ない。

夏野:上辺で頑張るとそうなっちゃうんです。ダイソンは、ジェームス・ダイソンさんがサイクロン掃除機の仕組みを考えた。だから、少なくとも5年は先行者利益がある。やっぱり技術開発は自社でやらないと。

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