夏野・ホリエモン、「東芝問題」をなで斬り! 「WORK RULES!」刊行記念"働き方"対談

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堀江:そういう意味で言ったら、東芝の中でそういう新しいものを作れますか?

夏野:きっとあるはずです。

堀江:白モノだと三洋電機はハイアールに売って、けっこう良くなった。要は、経営者の問題でしょう。

夏野:今は、トップがひとりで営業する範囲が大きくなった。東芝の社長のブログで社長がメッセージを全社員に発信できるでしょう。あれがもう少しまともな考え方だったら影響力はけっこう大きいですよね。アンドロイドで浴衣がどうしたとか、のんきなことを言っている場合じゃない。

会議では自分ですべて説明するようにしたいって言ったら、もう役員みんながサーッてひいてしまう。自分で説明できないから。伊藤忠商事はそれやったそうですね。責任者が説明しろって言ったら、ほとんどが説明できない。だから、岡藤社長が代読させるルールをなくした。こんなことを毎日やればよいのでは。

グローバルで大きくなるにはシフトチェンジが必要

堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)SNS株式会社ファウンダー。1972年福岡県生まれ。自身が手掛けるロケットエンジン開発のほか、スマホアプリ「TERIYAKI」「焼肉部」「755」のプロデュースなど幅広く活躍。HORIEMON.COMの人気コーナー「WITH」では『テクノロジーが世界を変える』をテーマに、各界のイノベーター達に堀江自らがインタビュアーとなり取材したものを連載中。有料メルマガ「堀江貴文のブログでは言えない話」の読者は1万数千人の規模に。2014年8月には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文サロン」をスタート。近著に『我が闘争』『ゼロ』など。

堀江:それって、『WORK RULES!』の話にもつながりますね。

山田:そう思います。バルミューダもそうでしょうが、結局イノベーションを生むものとグローバルで大きくなるというのはシフトチェンジが必要ですから。

夏野:もうひとつ入れないといけないのは、バルミューダの場合は、技術を開発しているのではなく、「ガワ」で価値を出そうとしている。これは大事なことですが、もしバルミューダが空気清浄機の技術をシャープ並みに持っていたら? そうしたら、デザインと連動させた新しい機能を出せるはずです。

堀江:ユニクロの機能性下着みたいな例ですよね。東レが開発した新しい機能性の繊維製品とデザインをうまく融合させて。

山田:自社でやれないものは他者と組むっていう?

夏野:組んでも組まなくても買収してもいいんだけど、最終的にちゃんと技術のオーナーシップとデザインっていう付加価値を合体させないと利益率が低くてやっていられません。iPhoneも自社技術じゃないところがたくさんありますが、最終的にパッケージにすると付加価値でガーンと取れますから。

山田:何をやるのかという目的がしっかりしてれば、当然どういうチームを組んだらよいかっていうことにもなりますね。それが『WORK RULES!』にもつながる。

夏野:だから、やっぱり経営者が何を目的にしているかですね。スティーブ・ジョブスは「すごい携帯」が欲しかったのでしょうね。

ライブドアでやっていたこととけっこう似ている

堀江:僕がこの本を読んで感じたのは、ライブドアのときにやっていたこととけっこう似ているということ。10年前にやっていたことが最近いろいろ言われています。たとえば、BYOD(Bring Your Own Device)とか。当時はそんなに注目されなかった。

山田:グーグルってどんな職場? というのがこの本にけっこう書かれています。感謝するときには社員同士がサンクスを送ろうとか、健康のためにフードコートにはオーガニックの野菜が常にあるとか。それと、顕示欲をたしなめる文化として、廃棄されたものを拾って、あんまり贅沢しちゃいけないという気分をつくる。こういったことはライブドアでもありましたか?

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