今後、円高トレンド(というか極端な円安の終了)が継続するかどうかは見方が分かれており、判断は難しい。日銀が7月30~31日の金融決定会合で、本当に利上げするかどうかも予想は割れている。しかし、私は、これは、日本株を買う材料にはならないと考える。理由は2つある。
投資家の心理は悪化、しかも「山高ければ谷深し」
第1には、円高で株価下落が増幅されたかもしれないが、実際に株価が下がってしまえば、投資家のポジションは悪化し、財務状況もセンチメントも壊れてしまっている。それは、もし円安方向に揺り戻しがあっても、株の損失は戻らない。
もし、センチメントが強気であれば、次のチャンスには逆に買い向かうのであるが、今回はセンチメントが傷んでしまったと私は見ているので、その場合は買い戻す流れにはならない。企業の決算が非常によければ別だが、為替の戻しは間接的な要因であり、また、円安への揺り戻しがあっても、これ以上の円安にはなりにくいこと、今後、再び円高に戻ること、とりわけ、7月末に日銀が利上げしなくとも年内の利上げは確実であることを考えると、買い戻す意欲のある投資家は多くないと考える。
第2に、世界的な株価調整となれば、2023年と2024年前半に世界よりもよい大きく上げた日本株は、その分、下げも大きくなるのが自然なので、世界的な株価下落が反転しない限り、日本株だけの理由で戻るとは考えられないからである。
このように考えると「小幡はいつも暴落すると言っている」という説を唱える人にとっても、いつもの私と違って、暴落の蓋然性の高さを静かに議論している書きっぷりは不気味に見えるかもしれない。
もし、あなたがそう感じたとしたら、それはこの文章がそうさせるのではなく、あなたの心の中に潜んだ不安がそうさせるのだ。ということは、そういうことなのだ。
(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースや競馬論などを語るコーナーです。あらかじめご了承ください)
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