とある雑誌社から、「令和バブルに乗れ!」という特集の取材を受けた。確かに日経平均株価は思い切り上昇し、3万8000円台をつけている。
ここまで来ると、平成元(1989)年の最高値(12月29日の3万8915円)まではあと一息だ。株価だけではなくて、北海道・ニセコのコンドミニアム・バブルとか、熊本県の半導体バブルとか、景気のいい話も確かに増えているような気がする。
ただし一般論として言わせてもらえば、雑誌が「バブルに乗れ!」という特集を組む頃には、バブルはすでに成熟期に至っていることが多いものである。「女性誌が株の特集をしたら暴落は近い」などとも言う。編集部としては筆者にではなく、小幡績先生(慶應義塾大学大学院教授)にお伺いしたほうがよかったかもしれない。
日経平均株価は問題点が多い株価指標
日経平均は2月中にも最高値を更新しそうで、しばらくは話題になることが多いだろう。ただしこの指標、いろいろと問題点がある。
便利だから皆が使っているけれども、2000年4月に行われた銘柄入れ替えは明らかな失敗であった。225種のうち30銘柄を一気に入れ替えたのだが、そこで10.68%もの下げが生じてしまった。
同時期のTOPIX(東証株価指数)はほとんど変わっていないので、指標としての日経平均には不連続性ができてしまった。つまり今の3万円のほうが、2000年以前の3万円よりも高いはずなのである。
もっともこのことを指摘すると、天下の日本経済新聞を敵に回してしまうので、大方のエコノミストやストラテジストはなるべく触れないようにしている。
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