「1人で食事が常態化」現役世代の孤食という問題 コミュニティーディナーを始めた会社の意図
小学生時代はソ連、中学時代はアメリカ、その後は日本の主に東京で過ごしてきた。食事が満足に取れず行列してモノを買う生活を体験したソ連時代はしかし、自分を含め周囲も不幸ではなかった。
経済大国アメリカでは、人種差別も体験する。帰国すると、いい高校からいい会社を目指す一元的な価値観に違和感を抱く。多様な幸せがありえるはず、という思いが小寺社長を突き動かしている。
コミュニティーディナーで「いつもの生活圏では会わない人たち」(小寺社長)と過ごすことは、人とのつながりを深めつつ視野を広げるきっかけにもなる。
深刻化する「孤食」問題の解決策になるか
人は孤独や悩みを抱えがちだが、他人とかかわることで相対化できる。とらわれた思いから自由になる手段の1つが、異なる価値観、ライフスタイルの他人と食事をすることだ。
もちろん、食事するだけで何もかもが解決するわけではない。しかし、人間は群れの中で生きる動物であることを考えれば、他者の存在を身近に感じるチャンスに飛び込むのも1つの手だ。
参加者の中には、自分もそうした場を主宰したいと考え、視察目的で来る人もいるそうだ。コミュニティーの崩壊が社会問題と認識されて四半世紀あまり。孤食の問題は、家族や職場以外で人と気軽に接する場が減って深刻化したとも言える。つながりを回復する試みとして、コミュニティーディナーは注目する価値があると言えるのではないか。
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