「老後ひとり暮らし」心を病む人病まない人の差 自分の思うままに生きる「スナフキン」に学ぶ
正敏
孤独と孤立は違う
『ムーミン』シリーズに登場するスナフキンをご存知でしょうか。彼は孤独を愛しています。他人に干渉されることなく、自分の思うままに生きる。おひとりさまの達人です。
スナフキンのようなキャラクターは、他の作品でもときおり見られます。孤独というのは人によっては価値のあるもので、彼らに憧れたり共感したりする人も少なくないということでしょう。
たしかに、人間関係はときに大きなストレスの原因になります。
私の友人の阿久津さん(仮名)も60歳を過ぎてから「お互いに気を遣うくらいなら」と離婚しました。
ただし、注意しなければならないことがあります。孤独と孤立は違うということです。孤独は〝感覚〞であり、孤立は他者と切り離された〝状態〞です。
スナフキンは孤独が好きですが、友人であるムーミン一家との関わりは描かれています。阿久津さんもゴルフ仲間や私のような友人がたくさんいます。彼らはひとりの時間を大切にしながらも、決して孤立はしていないのです。
フランスの作家バルザックは「孤独は良いものだと認めざるを得ない。しかし、孤独は良いものだと話し合える相手がいることも、一つの喜びだ」と書いています。
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