「老後ひとり暮らし」心を病む人病まない人の差 自分の思うままに生きる「スナフキン」に学ぶ
さて、この状態から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか?
佐々木さんは、もう一度クリエイティブな制作現場で働きたいと、転職を考えていました。芸能人と一緒にモノ作りをしてこそ自分だ、というアイデンティティをなかなか手放すことができなかったからです。
しかし転職だけでは根本的な解決にならないかもしれません。新しい職場では立場も変わるでしょうし、以前と同じ手応えを得られるかも不明です。そして職場というコミュニティはいずれ定年になれば外されてしまうため、老後の安定した所属先にはなりにくいところがあります。
ですから、将来のことも見据えて、別のコミュニティにも所属して、徐々にアイデンティティを変化させていくことが必要です。
おひとりさまが心の壁を越えるために必要なのは、自分はここにいてもいい、と所属欲求を満たすことができる場所です。
ちょうどいい距離感の人間関係の作り方
おひとりさまが所属するコミュニティを探すときの条件はたったひとつ……居心地がいいことです。
それさえ満たしていれば、どんなものでもかまいません。
その場所を自分自身が好きであるかどうか、居心地がよいかどうかを重視してください。家族でも仕事でもないのに、イヤイヤ人間関係を築くことほどストレスになることはありません。
では具体的にどんなやり方があるか、いくつかヒントを紹介します。
人がもっとも孤独を感じるのは、どんなときだと思いますか?
ある研究では「言葉の通じない知らない町をひとりで歩いているとき」だとされています。
部屋にひとりでいるよりも、知り合いのいないパーティに放り込まれて手持ち無沙汰にしているときのほうが、強い疎外感を感じますよね。つながっている他者と、たったひとりの自分を比べてしまうからでしょう。
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