「1人で食事が常態化」現役世代の孤食という問題 コミュニティーディナーを始めた会社の意図

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しかし、現役世代は見落とされてきた。現役世代は仕事や学業でつながりがある、と見過ごされがちかもしれない。小寺社長は、そうした層に目を向けている。

「今は人とのつながりが、どんどん薄くなっている気がします」と小寺社長。はぐくむでは、他者、自分、そして自然との3つのつながりが人生を豊かにする、とコーチングを実践してきた。

初対面の人たちと食事を共にする

もう少し気軽に参加できる方法も探る中で、「人とのつながりを得つつ自分の思いも分かち合える食事の場を通じて、楽しさ、豊かさを感じられるのではないか、とコミュニティーディナーを始めました」(小寺社長)。

2020年10月、東京・世田谷区にコミュニティーカフェ「はぐくむ湖畔」を開業し、コミュニティーディナーと呼ぶ「他人同士が交流できる」食事会を始めた。創作料理のコースで1回3500円。

2時間の会の定員は15人でほぼ初対面同士だが、スタッフが1人ファシリテーターとして参加し、活動の主旨を説明し、4人ずつのユニットでテーマを設定して語り合うなど、打ち解けやすい仕掛けをする。

コミュニティーディーの様子。予約制で創作料理のコースが振る舞われる(写真:はぐくむ提供)

参加者には人の話をさえぎらず最後まで聞くことを求める。「普段はしゃべれないけれど、皆が聞いてくれるから、自分の話を最後までできた。自分がこんな思いを持っていると気づいた、という人もいます」と小寺社長。

コロナ禍と重なり、思うように実施できない時期が続いたが、昨年10月ぐらいから軌道に乗り、現在は月2回程度実施する。参加者は主に20~50代の現役世代で、職業や性別はバラバラ。名古屋など、地方から来る人もいる。

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