生命保険会社の営業には、大きく2つの種類があります。個人向けの保険を扱うリーテイル部門と、企業向けの保険を扱うホールセール部門の2つです。リーテイルの現場で働く大半は外務職員(歩合制の保険営業員)ですが、一方で企業相手のホールセール部門は主に内務職員(固定給職種)が担っています。
実は、同じ保険会社の社員でも、リーテイル部門とホールセール部門とでは保険の入り方に大きな違いが見られるのです。
保険漬けの保険営業員と対極にあるホール部門の人たち
保険営業員の人たちは保険を売るのが日々の仕事です。自分で入る保険も通常は、自分の会社の保険に入っています。それも、純粋な保険ニーズだけでなく、仕事関係のいろいろなしがらみや、自分の保険営業成績を維持するために保険に入るようなケースもあるようです。だから、かなり保険漬けの状況にあるのが平均的な保険営業員の姿です。
一方で、さほど保険に入っていないのが企業向けに保険営業を担当するホール部門の社員たちです。必要最低限の保険にしか入らない人が多いようです。
取引き相手が企業ですから、企業の保険利用の考え方を十分に理解していないと仕事ができません。そこで、どうしても企業の合理的な保険利用法から多くを学ぶことになります。そして、そのことが自分自身の保険の入り方にも強く反映される結果となっているようです。
企業活動の目的は利益の最大化です。だから、企業は保険においても一切のムダを省き、どうしても必要な保険だけを、最低限利用しています。大企業では豊富な経験を積んだ専門スタッフが保険会社と折衝する中で保険会社を厳選し、最適な保険商品を選定しています。彼らは、まさに保険活用のプロです。このような企業のプロを相手に保険の仕事をしていると、否応なしに経済合理的な保険の活用法を学ぶことになります。こうしてホール部門で働く社員の多くは、自らも経済合理的な保険の利用を実践することになります。(連載第7回「保険のプロは、最後まで保険に入りません」参照)
だから、ホール部門の人たちの保険の入り方は合理的です。必要最低限の保険にしか入りません。そこが同じ保険会社でもリーテイル部門の社員たちとの大きな違いです。
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