兵庫「おねだり知事」なぜそこまで勘違いできたか 雇われに過ぎないのに…首長による私物化は他にも

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会合に前後して斎藤氏は、上郡町職員からワイン2本の提供を受けたとしつつ、「仕事として、県の施策として産業振興の一環で大切なこと」だと明言。一方で具体的なPR活動はしていないとも語った。

この件のほかにも、各社報道では、ことあるごとに職員を怒鳴りつけるといったパワハラ疑惑が伝えられている。斎藤氏は否定しているものの、SNS上では「早く辞任すべきではないか」といった指摘が噴出。県立高校などへ2022年に設置された、斎藤氏の声がでる自動販売機にまで話題は波及し、「再選目的の売名行為ではないか」と批判の的になっている。

 斎藤氏の略歴

ここまで問題視される斎藤氏とは、そもそもどんな人物なのか。略歴を簡単に振り返ってみよう。1977年兵庫県神戸市に生まれ、東京大学卒業後に総務省へ入省、新潟県佐渡市の企画財政部長、宮城県の総務部市町村課長、大阪府の財務部財政課長などを経て退官後、2021年の兵庫県知事選で当選した。

総務官僚出身者が首長を務めることは珍しくないが、兵庫県でもそうだった。総務省出身としては斎藤氏が初めてだが、5期務めた前任の井戸敏三氏(在任2001〜2021年)や、その前任である貝原俊民氏(1986〜2001年)は旧自治省。さらにさかのぼると、坂井時忠氏(1970〜1986年)、金井元彦氏(1962〜1970年)も、旧内務省の官僚だった。「総務官僚出身だから」と、ひとくくりにできるわけではないが、斎藤氏の事案をめぐっては、その関連性を指摘する反応も出ている。

官僚は一般的に、エリートと扱われがちだ。だからこそ選挙において「看板」となり得て、当選に近づくわけだが、それが勘違いの温床になる側面もある。有権者は行政経験や、政府とのパイプといった要素を求めて、「官僚」へと一票を投じると思われるのだが、「オレ」が信託されたのだと錯覚してしまえば、そのギャップがあだとなる。

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