「倍速再生で勉強する人」が知らない"落とし穴" YouTube動画でインプットすべき科学的理由

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今やYouTube動画は、エンタメのためだけなく、学習やインプットのツールとしても老若男女に幅広く使われています。

この「聞く」と「見る」を総合したマルチメディアのインプットは、「聞く」だけのインプットよりも効果が高いことが科学的にも確認されてきています。

「ワーキングメモリー」の容量をうまく使う

私たちの脳の主要機能に「ワーキングメモリー」というものがあります。長期や短期の記憶を現在の意識にホールドして整理したり組み合わせたりして、何らかの「コマンド」を意識の中で実行する働きのことです。

このワーキングメモリーは、どんな人でも容量が限られていて、最近の研究では、3つから5つくらいのものを意識にホールドするのが限界だとされています。

そのため、効果的なインプットには、ワーキングメモリーの容量をうまく使うことが大切です。

そこで効果的なのが、入ってくる情報を「聞く」「見る」など、いわば、違った「チャンネル」に分散させることです。

話を聞くだけで理解しようとしても複雑でお手上げだったのに、図解を使ってくれた瞬間、わかりやすくて理解できた。そんな体験は、誰しもがあるはずです。

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この現象は、 「聞く」だけで情報をインプットしようとするとワーキングメモリーがパンクしてしまうものの、 「見る」も使ってインプットをすると、情報処理の負荷が「聞く」と「見る」とに分散できて、ワーキングメモリーをより効率的に使うことができるということを示しています。

つまり、「読む」 「聞く」 「見る」のどれが一番効果的かということよりも、どのようにそれらを、ミックスした形でインプットできるかが重要なのです。

ワーキングメモリーへの負荷を分散して効果的にインプットするために、スマートフォンやコンピューターなどのマルチメディア環境で、ベストミックスのインプットを実現していきましょう。

星 友啓 スタンフォード大学・オンライン高校校長 哲学博士

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ほし ともひろ / Tomohiro Hoshi

スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長。哲学博士。1977年生まれ。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。その後渡米し、スタンフォード大学哲学博士を修了。同大学の講師を経てオンラインハイスクールの立ち上げに参加。2016年より校長に。オンライン教育の世界的リーダーとして活躍。『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』など著書多数。
公式サイト/https://tomohirohoshi.com

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