元109店員で週刊誌記者が実践する距離の詰め方 聞いてないのに相手が話す"ずるい"テクニック
相手にとってネガティブな話ほど、切り出し方が難しいものはありません。安易に言及すると逆鱗に触れる可能性もあるので、細心の注意が必要です。
以前、ある不祥事でニュースになったお笑い芸人に取材したときのこと。
その時点で散々SNSで叩かれ、メディアの直撃も受けすぎて、不祥事の話には辟易しているだろうと思ったので、あえてその話題には触れずに他の話題についてお聞きしていました。
でも、聞きたいことが頭にあると、どんな「他の話題」をふればいいか、気もそぞろになりますよね。
私の場合は、取材相手のSNSの投稿をまず参考にします。ご自身の活動の宣伝や、趣味の一片を垣間見られるので、話題にしやすいのです。
著名人でなくても、相手のSNSの投稿を見ておいて、食べたもの、出かけた場所、読んだ本などについて聞けそうです。SNSは相手が「話したい」「触れてほしい」ことの宝庫です。
ちょっと脱線して、記者話になりますが、
「インスタ見てますよ。最近サウナにハマってるんですね?」
「いつもはどなたと行っているんですか?」
「飲食店をオープンすると聞きました。どのあたりに出店します?」
こういう話から、週刊誌の記事ができあがることもあります。
「実はサウナ関連の仕事が増えていて」と仕事上の変化を聞けたり、「○○さんとよく一緒に行くんだよね」など、知らない交友関係が見えてきて、さらに取材を進めると、よくサウナに行く友人の親友が恋人だった、とか……。
話を戻すと、とにかく、相手が話しやすそう、話したそうな内容を選ぶことをおすすめします。最近始めた趣味、好きなもの、楽しかったことなど、盛り上がるかも?と想像できる話が理想です。
「あえて聞かない」のも手
先ほどお話しした芸人さんは、別の話をしているうちに、「あれ? 不祥事については聞いてこないの? みんなその話ばかり聞いてくるのに、聞かなくていいの?」と自分から言ってきたのです。
こちらとしては願ったり叶ったりで、
「世間が騒ぎすぎて、さすがにもう話したくないのではと思ったので遠慮していました」
と話したら、
「そう言われると、話したくなるなぁ」
と結局ご本人から不祥事の裏事情を語ってくれました。
一番聞きたいことをあえて聞かずにいると、逆に気にして本人から話してもらえることもあるのです。
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