横浜の歴史を学んだところで、フードコートへと向かおう。ワールドフードホールがある横浜ワールドポーターズは、1999年に開業。世界に開いた港湾都市である横浜らしく「いろんな世界がここにある」をコンセプトとする。
2024年、「超エンタメモールへ」を標榜して全体の4割以上に相当する店舗を刷新する大規模なリニューアルを行い、7月の第2期リニューアルオープンで誕生したのが、今回のメインテーマであるワールドフードホールだ。
そのコンセプトに違わず、世界とエンタメの双方を感じられるフードコートになっている。例えば、フードコート内で営業している店舗はシンガポールの国民食「シンガポールチキンライス」やラクサなどを楽しめる「新嘉坡鶏飯」、ベトナム料理の「越南路」、韓国料理の「韓美膳」といったラインナップである。
その他、フードコートでの飲食とともにテークアウトなどでも楽しめるおにぎりやカレーパン、スイーツの店舗がぎっしりと営業しており、リニューアルから間もないこともあってか、全500席ほどのキャパシティでは到底さばき切れない人数がおり、席を求めてうろうろしている。当然私もその1人である。昼時をやや外れて午後2時ごろで、この集客力は恐れ入る。
席取りで彷徨う人々、溢れる熱気
それにしてもフードコートの席取りというのは難しい。理で考えれば、いつかは食事を終えて立ち上がるのだから「ここ」と決めて近くで立って待っていれば、必ず席にありつける。そんなことはわかっている。それでも「もっと早く座れないか」「もっといい位置がないか」と色気を出して歩き始めてしまうのが、理から外れた人情というものだろう。
それにしてもこの日は混雑が激しく、私だけでなく数十もの人がさまよっている。席と席の間隔が狭いし、店舗調理の熱か、人々の熱気か、冷房の不調か、とにかくジメジメモワモワと暑苦しい。さながらジャングルをかき分けて獲物を探すハンターのような気分である。
15~20分くらいは歩いたろうか。木を見て森を見ず、というか、実はフードコートエリアの中央だけでなく、ちょっと離れた場所にも席があり、意外とこの辺りは座席ハンターが少ないことに気づいた。
もう席を立ちそうな人がいたので、“禁じ手”というほどではないが、声を掛けると席を譲ってもらえた。落ち着いて辺りを見ると、8人連れでまとまった席を確保している猛者もいる。どんな手を使ったのだろうか。
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