保育士希望者を高給で採用する会社があった

新卒を初任給22万円で約100名採用へ

――どのように養成するのですか。

入社前の期間を活用します。内定者に対して10月から「保育士養成講座」を開講します。受講者は入社直前の3月まで勉強して、入社後の4月に国家試験を受けます。授業は弊社の東京本部で行います。地方出身者は希望すれば弊社の寮に宿泊することができます。

――保育士試験は合格率が20%未満の難しい試験です。10月から6カ月間勉強しただけで合格できますか。資格を持たない社員を抱え込むことになりませんか。

私はそれほど心配していません。合格率が低いのは事実ですが、受験者の多くは主婦です。結婚して子育てが一段落した後で、一念発起して受験するというケースが多いのです。こうした主婦は家庭生活や子育てに追われて長い間「勉強」というものをしていません。主婦は受験勉強やペーパーテストから遠ざかっていたので合格するのがたいへんなのです。

JPホールディングスの荻田和宏社長(撮影:尾形文繁)

ところが、今回は一定レベル以上の大学から新卒を採用する予定です。彼女たちは受験をくぐりぬけ、大学で勉強してきたので、「勉強」や「受験」に慣れています。若いので記憶力も優れているはずです。こうした学生に1日数時間、6カ月間しっかり勉強させれば合格すると思います。

実は数年前に、私も保育士試験を受けてみました。通信教育の教材を購入したのですが時間が取れず、1日30分程度の勉強を2カ月やって試験に臨むことになってしまいました。勉強と言っても、とりあえずテキストに目を通しただけでした。結果は9科目中3科目が合格。残りの6科目もあと1問で合格というレベルでした。私の経験から、新卒の大学生が真剣に勉強すれば合格できるはずです。

保育士試験の合格率は低いですが、猛勉強してきた秀才が受験する司法試験や公認会計士試験とは状況が違います。

――保育士の資格を取るために短大や専門学校に進学すると卒業までに200万円以上かかります。自社で養成するにあたって、かなり費用がかかるのではないですか。

それは大したことはありません。入社前の内定者なので、給料を支払う必要がないのです。また、講師は社内のベテラン保育士が務めます。講師料は支払いますが、外部から講師を招聘するのに比べれば講師料は高くありません。テキストも高額なものではありません。

2015年までは試験が8月です。これでは4月に入社した社員に給料を払いながら勉強させなければなりません。実質的な仕事をせず、勉強だけしている社員に4カ月間も給料を支払うのでは負担が重すぎます。厚生労働省が2016年から試験日を8月から4月に変更するので、「保育士養成講座」をスタートさせられました。

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