「もう停戦してほしい」イスラエル軍が脅える背景 このままではヒズボラとの対決に耐えられない

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停戦に対する軍の姿勢は、ネタニヤフ首相がガザの戦後計画を明確にすることも約束することも拒否していることが明らかになるにつれ、軍の考え方が過去数カ月間で大きく変化したことを物語っている。同首相のこうした態度のせいで軍は、すでにハマス戦闘員の掃討を行ったガザの地域に戻って戦うことを余儀なくされている。

ちらつく軍部の不満

「軍部は人質取引と停戦を全面的に支持している」。昨年初めまでイスラエルの国家安全保障顧問を務め、軍高官と定期的に話をしているエヤル・フラタ氏はそう語った。

「軍上層部は将来いつでもハマスに軍事的に関与できると信じている」とフラタ氏は言う。「ガザで停戦すれば、レバノン(のヒズボラと)の緊張緩和の可能性が高まることを彼らは理解している。装備も予備のパーツもエネルギーも以前より少なくなっている。ガザでの停戦によって、ヒズボラとの大規模な戦争が勃発した場合に備え、準備する時間を得られるとも彼らは考えている」

こうした見解を軍指導部がどの程度直接的にネタニヤフ首相に内密に伝えているかは不明だが、首相が軍幹部たちに不満を抱いているのと同様に、軍指導部の不満は公の場でもちらつくようになっている。

イスラエルの首相官邸はこの記事へのコメントを拒否した。記事が電子版に掲載された後の声明で、ネタニヤフ首相は反発し、イスラエルが戦争を終わらせるのは「ハマスの排除と人質の解放を含むすべての目的を達成した後だ」と述べた。

ネタニヤフ首相は、ハマスのガザ支配が続いた状態での停戦を警戒している。そのような結果になれば連立政権が崩壊しかねないからだ。一部の連立パートナーは、ハマスを打破せず戦争を終結させるなら連立を解消すると主張している。

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