「もう停戦してほしい」イスラエル軍が脅える背景 このままではヒズボラとの対決に耐えられない

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イスラエルで行われたネタニヤフ政権の退陣を求めるデモ(写真:Sergey Ponomarev/The New York Times )

イスラエル軍の幹部たちはハマスが当分の間権力の座に居座ることになったとしてもガザ地区での停戦を開始したいと考えており、ハマス存続につながる停戦に反対しているベンヤミン・ネタニヤフ首相と軍部との間で溝が深まっている。

取材した現職と過去の安全保障当局者6人によると、イスラエル軍幹部は人質としてガザに残されている約120人のイスラエル人(死者も含む)を解放するには停戦が最善の方法だと考えている。

態勢立て直しの時間が必要

イスラエルが過去数十年で経験した最長の戦争によって、さらなる戦闘のための装備が不足していることから、イスラエル軍の幹部たちは昨年10月以降イスラエルと小規模な戦闘を続けているレバノンの民兵組織ヒズボラとの地上戦が勃発した場合に備えて、態勢を立て直す時間が必要だとも考えている、と複数の当局者が語った。

これら当局者によると、ハマスとの停戦はヒズボラとの取引を容易にする可能性もあるという。ヒズボラは、イスラエルがガザ地区での戦闘をやめるまでイスラエル北部を攻撃し続けると述べている。取材に応じた当局者は、安全保障上の機微な問題であることから、ほとんどが匿名を条件とした。

「参謀本部フォーラム」と総称されるイスラエル軍指導部は、参謀総長のヘルジ・ハレヴィ中将、陸軍、空軍、海軍の司令官、軍事情報機関のトップなど、およそ30人の上級将官で構成されている。

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