この結果を受けた小山さんは、1年間の受験生活ですでに疲弊しており、「もう1年の浪人は本当にしたくなかった」と振り返ります。
「後期の発表がある前は、後期で受かれば、絶対に東京外大に行くと決めていました。1年浪人をして本当にしんどかったので、今年で何がなんでも受験をやめてやると思っていたんです。だからこそ、東大はもちろんですが、東京外大に受からなかったことのショックが大きかったです」
この年に落ちた理由を、小山さんは「精神面・体調面を崩してしまったこと」だと考えます。
「1浪目は受験、人間関係でうまくいかず、精神面と体調面を崩してしまいました。そのため、思うように勉強ができなかったことが大きかったと思います」
そこで、2浪目に突入した小山さんは、このもう1年の浪人を、「力を緩めることにした」と語ります。
「春から夏くらいまではまじめに予備校に行っていたのですが、夏ごろになってもう精神的にこれを続けるのが無理だと思いました。そこで、チューターさんと相談して、体調面や精神面の健康を優先し、ゆるくやっていく方針に切り替えたんです。予備校に行かない日が増えたり、勉強しなかったりする日を増やしました」
無理しないで過ごすことを心掛けた
1日の勉強時間は、1~3時間で、勉強した日も5時間程度だったと語る小山さん。勉強そのものをしない日も続いたようで、ずっと寝たり、近所を散歩したりする日々を送りました。しかし、そうした生活を続けたことで、夏以降の模試では全部A判定を取れるようになりました。
「無理しないように過ごしたことで、リラックスできたのがよかったのだと思います。また、睡眠時間を増やすことの重要性は身にしみて感じましたね。高校3年生から1浪までは、ずっと1日の睡眠時間が6時間程度だったのですが、2浪目は9~10時間くらい取るようにしました。
また、社会人サッカーチームに参加し、定期的に好きなサッカーで身体を動かしていたおかげで心身が安定してきたのも大きかったです。これで成績が伸びたので、何事もなければ東大に受かると思えましたし、自分にとって、この決断をしてよかったと思います」
こうしてこの年の共通テストは過去最高の776/900点を記録した小山さんは、併願で出した上智大学の共通テスト利用も補欠からの繰り上げ合格を確保。東大の受験もそつなくこなし、合格最低点からプラス10点でなんとか合格して、2浪で東京大学文科一類への進学が決まりました。
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