こうして激動の2浪生活を終えた小山さん。浪人してよかったことを聞くと、「つらい経験ができたこと」、なぜ頑張れたのかを聞いたところ「頑張ったというよりは、頑張れるような環境を作ろうとしていた」という答えが返ってきました。
「私は浪人の2年間、精神的に追い込まれて慢性的な頭痛に悩まされました。だからこそ、周囲の苦しんでいる人に目を配ったり、なんとかしたいという気持ちが芽生えて、前よりも優しくなれたんじゃないかと思います。また、今まで挑戦したことがありませんでしたし、大きな失敗をしたこともなかったので、若いときにそれができたのはいいことだったなと思いますね」
非進学校から東大に進んだ人を支援
東京大学文科一類に入った現在1年生の小山さんは、複数のサークルに入って充実した日々を過ごしています。その中でも特に、非進学校から東大に入った人たちが、同じように非進学校で頑張っている人や、中高生を支援する「UTFR」というサークル活動に力をいれているそうです。
「浪人・受験勉強を通して私は、自分はそんなに強くない人間だということがわかりました。だからこそ、自己分析を徹底するようになりました。自身の生活態度やこれまでの経験・これからの進路などを深く考え、自分に対する解像度を上げることで、何をすればいいかを考えています。
今の自分の根っこには人の役に立ちたい、人のためになりたいというのがあり、そういう意味で「UTFR」では自分がかつて苦しんだように、同じような経験をした人たちと苦労を分かち合い、非進学校で頑張っている人を協力して応援していきたいと思っています」
そして、小山さんは、高校時代に定めた「国連の職員になる」という夢に向かって、現在も努力を続けています。
「世界遺産を扱うUNESCOに入り、世界平和について、文化の面から向き合っていきたいと考えています。今、この世界のどこかで苦しんでいる人のために自分の命を捧げたいと思っているので、そのために頑張りたいと思います」
たくさん悩み、苦しみ、苦労の末に合格をつかみ取った彼だからこそ、現在、人の気持ちに寄り添い、苦しい思いをする人のために生きることができているのだと思いました。
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