1947年6月24日、不思議な飛行物体が目撃され、新聞の一面に「空飛ぶ円盤(皿)が目撃された!」と大きく報道されました。この日は「UFOの日」として、マニアの間で親しまれています。
しかし、目撃者は「奇妙な物体が水面に投げた皿のように飛んでいた」と話しただけ。そう、「空飛ぶ円盤」は、もともと誤報から生まれたものだったのです。
この報道をきっかけに、多くの人の脳裏に「円盤型の物体が空を飛んでいる」と刻み込まれ、ただの飛行機であっても「円盤型の物体に見えた」と報告する事例が多発しました。
人間には「見たいものを見る」という認知心理学的なクセがあります。先入観が見間違いを引き起こしてしまったのでしょう。
UFOの94%は「見間違い」である!?

先入観という点では、「宇宙人の姿」についても同様のことがいえます。
みなさんは「宇宙人」と聞いて、どんな姿を思い浮かべますか?
おそらく、逆三角形の大きな頭に、吊り上がった目をした灰色で小柄なものを思い浮かべるのではないでしょうか。
これは、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』に登場した「グレイ」と呼ばれている宇宙人の姿。
映画の印象が強烈すぎて、「宇宙人=グレイ」のイメージが広く植え付けられてしまったというわけです。

誰もが知らず知らずのうちに、先入観にとらわれてしまうものですが、UFOや宇宙人について考える上で、いちばん大切なのは思い込みを捨てることです。
宇宙人がいるかどうか、いるとしたらどんな姿なのか、答えはまだ誰にもわかりません。誰かがつくりあげたイメージに左右されずに、冷静かつ柔軟に考えていく必要があります。
まずは空飛ぶ円盤やグレイのイメージから脱却することを目指しましょう。
UFOの目撃報告を冷静に見てみると、たいていのものは説明がつきます。
過去に、アメリカ空軍が1万件以上のUFO目撃報告(1947〜69年)について徹底的に調査したところ、じつに94%が「見間違い」であることがわかりました(ちなみに現在アメリカ政府やNASAは、UFOでなく、UAP「Unidentified Anomalous Phenomena:未確認異常現象」という言葉を使っています)。
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