統廃合から「軽量化」へと変わる3メガの店舗戦略 みずほ銀行は店舗の4割をコンサル特化型へ
池袋口座開設ショップはその一例で、通常の個人店と比較すると、年間の店舗維持コストは数千万円から1億円程度削減される。加えて、既存の個人店である「ライフデザインプラザ」全129店舗も、順次軽量化を進める。これはみずほ銀行が抱える店舗の約4割に相当する。
みずほ銀行以外のメガバンクも軽量店の展開に着手する。「従来の銀行店舗のように、取引をするためにわざわざ行く場所ではない。日常的に使うスマートフォンで銀行サービスが利用できる」。三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中島達社長は力を込める。
同社は昨年3月、銀行、証券、カード、保険などの個人向け金融取引を集約したスーパーアプリ「オリーブ」を開始した。オリーブの拡販を掲げる同社は、約400存在する店舗の6割程度をアプリ利用の相談や手続きに特化した軽量店への転換を進める。
店舗戦略は「量」から「質」へ
さらに傘下の三井住友銀行は5月、スターバックスコーヒーとシェアラウンジを併設した店舗「オリーブラウンジ渋谷」を開業した。渋谷支店を大幅に改装し、1階の大半は共用エリアに、2階はシェアラウンジに生まれ変わった。銀行窓口は1階の隅で細々と営業するのみだ。東京・下高井戸や大阪・香里にも、同様のラウンジを設ける予定だ。
三菱UFJFGも軽量店の展開を模索する。「店舗統廃合にはめどがついた。今後は商業施設などに出店して利便性を図る」。6月27日の株主総会で亀澤宏規社長はこう述べた。昨年にはJR東日本と連携し、首都圏のターミナル駅に設置された個室ブース型シェアオフィスで資産運用のオンライン相談に乗るサービスを試験的に行った。
メスを入れる対象が「量」から「質」へと移りつつある、3メガバンクの店舗戦略。むろん、店舗の削減や軽量化によって利便性が損なわれれば、個人顧客の離反を招くリスクもはらむ。これからの個人向け店舗網をどう構築しようとしているのか、みずほ銀行の加藤勝彦頭取を直撃した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら