中国の新興企業はコマツ以上にはなれない--コマツ社長 野路國夫
──値上げには何が必要か。
値上げを断行する勇気。上げるとお客さんがいろいろな要求を出してきます。高い分、きちんとアフターサービスをしてほしい、中古車を高値で買い取ってほしい、と。そうすると工場から代理店まで、みんながお客さんの要求に応える努力をしないといけない。大変ですよ。
ありがたいことに、コマツには世界に根付いたブランド力があります。うちの機械は高いけれど品質や性能がいい、中古車として高く売れる。このブランド力を中国にもきちんと根付かせることが、コマツにとっていちばん大事です。目先のシェアを考えることに意味はまったくありません。中国のような新興市場ではシェアが一時的に変動しやすいのですから。必要な値上げをして、それでもお客さんに評価されて、その結果としてでなければ意味がないのです。
──円高が厳しい。
売価を上げたり原価を下げたり、やれる策はまだある。円高だから日本の製造業はもうダメだなんて短絡的に考える必要はありません。
のじ・くにお
福井県出身。1969年大阪大学機械工学科卒業、コマツ入社。情報システム本部長、生産本部長などを経て97年取締役、2003年専務を経て、07年6月から現職。
(杉本りうこ、高橋志津子 =週刊東洋経済2011年9月17日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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