その理由には「1浪している間に東大に行きたい気持ちが芽生えた」ことが大きかったそうです。
「2浪するのは、心理的なハードルが大きかったです。自分の中ではなかなか決断できなかったのですが、駿台の先生が東大の授業内容を詳しく教えてくださったので、入学した後にいろいろと学んでみたいことができました。
あとは、同じクラスで一緒に勉強した友達もすごくいい人ばかりで、東大に入ったらみんなに会えるということも大きかったですね。最終的には、両親が『お金はなんとかするから浪人しなさい!』という感じで、背中を押してくれたのでもう1浪を決断できました。最初から最後まで一貫して応援し続けてくれた親には、今でもとても感謝しています」
こうしてもう一度駿台で東大を目指す覚悟ができた桑原さんは、前年度の受験で落ちてしまった要因を「勉強時間の不足」と「表面的な勉強しかできていなかったこと」という2点だと考えました。
「何かの科目で失敗したというよりは、全体的に(合格者平均より)取れていませんでした。今思えば、勉強も周りの人に比べると全然(量が)足りていませんでしたし、単語帳を覚えたり、問題を解いたりするときも、丸暗記になってしまっていたのです。
1浪目は18時くらいに帰宅していたのですが、この年は授業が終わっても自習室が閉館する21時まで残ってきっちり勉強するようにしましたし、勉強面でも本質的に理解することを心がけました」
ストレスでお腹を壊した合格発表
勉強の量も質も改善した2浪目の桑原さんのその年の模試は、A判定で安定するようになります。センター試験でも820/900点を取り、ためらいなく3度目の東大文三への出願を決断。併願で出した早稲田の政治経済学部・社会科学部・文学部のセンター利用もすべて合格し「この年こそは受かる」という手応えを感じていました。
「ダメだったときのことは、考えたくなかったです。東大の試験も、まぁこの出来なら大丈夫だろうと思えました」
とはいえ、今まで2回落ちているため、さすがに合格発表のときはとても緊張したようです。
「母親と一緒に見ようと思い、母親のパソコンの前にいたのですが、ストレスと緊張でお腹を壊していました。なんとか番号を確認する決心がついて、自分の番号を確認したときは『やったー!』と言ったのを覚えています。母親は意外とあっさりしていて、すぐにスマホで『刀剣乱舞』のゲームをやり始めました(笑)」
こうして2年間の過酷な浪人生活は終わりを告げました。
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