「桜蔭から2浪東大」彼女が"多浪"を決意した理由 桜蔭での生活、浪人時代に出会った運命の授業

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桜蔭から2浪して東京大学文科三類への合格を勝ち取った桑原さん。彼女に浪人生活を頑張れた理由を聞いたところ「勉強以外何もできない自分の存在を保つため」、浪人してよかったことについては「誕生したこと」という答えが返ってきました。

「私は桜蔭時代にはまだ生まれていなくて、浪人してから初めて(この世に)誕生したと思っているんです。浪人して駿台の授業を受けて面白いと思えたこともそうですし、今まではずっとお行儀のいい女の子の世界で生きてきたのですが、塾でほぼ初めて同世代の男性を見て驚きましたね (笑)」

桑原さんは東大の授業で言語学に興味を抱いて、3年生で教養学部に進み、現在は総合文化研究科言語情報科学専攻の博士課程の3年生として研究に励んでいます。

消極的な性格が変わり、意思を持てるように

浪人を通して「すべてが変わった」と語る彼女は今、まさに自分の意思で、自分がやりたいことを突き詰めているように見えました。

「私は浪人を通して消極的だった性格が変わりましたし、朝から晩まで勉強することで習慣面も変わりました。歴史のこと・国語のこと、英語や今やっている言語のことなどもすべて見方が変わりました。

いまは浪人時代から漠然と興味を抱いていた、言語学を研究しています。学外活動では、個人的な日本語教育への関心から日本語の教師をやりながら、大学院の先輩が経営する個別指導塾「学習塾ネイビー」の講師として塾の経営にも参画し、塾のYouTubeチャンネルに出演しています。自身の興味関心をクリエイティブの道に結びつけられるように試行錯誤しています。

現在の興味関心や大学での授業の選択もすべて、予備校での浪人生活が基盤になっています。2浪しているときは自分の将来を不安に思っていましたが、後悔しない人生を送れているので、今では2浪しても東大に入ってよかったと思います

浪人ではっきりした目的意識を持ち、前向きな生活を送っている桑原さん。今の彼女の姿からは、大人しくて、周囲に流されて生きてきた高校時代までの面影はなく、浪人を通して、自分の人生を主体的に生きている様子がはっきりと感じられました。

桑原さんの浪人生活の教訓:主体的な学びが、人生を前向きにする
濱井 正吾 教育系ライター

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はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

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