「条件を指定して、個室のお店が予約できるエージェントを作ってみました」
6月末、横浜・みなとみらいにあるアクセンチュアのオフィスでは、新卒社員向けのAIエージェント作成研修が行われていた。所要時間は45分。この日は約60名の新卒社員が会場に集まり、6人ずつのテーブルに分かれ、各人がそれぞれのノートパソコンに向かっていた。会場参加者以外にも、全国からリモートで100名超が同時参加した。
コンサルティングファームの業務では、クライアントの機密情報を扱うことが多々ある。そのため、会食や打ち合わせを伴う店選びでは、情報漏洩を防ぐために周囲から隔離された個室や半個室を手配することが欠かせない。予算や時間帯、立地などの条件に合致し、かつ個室が空いている店を探すのは骨の折れる作業であり、予約が取れないことも珍しくない。
そこでこの新卒社員は「若手社員の負担になりがちな手配のタスクをAIに代替させ、効率化することを意図してエージェントを作成した」(同社員)という。研修では、プログラミングの知識がない社員でもノーコード・ローコードで開発できる社内プラットフォームが使われている。研修を指揮する講師は“個室選びエージェント”に対して、「若手がお願いされがちなタスクをAIにこなさせる、すばらしいアプローチだ」と高い評価を与えていた。
AI活用前提のマインドを醸成
AIがコンサルの仕事を奪う――。アンソロピックやオープンAIなど巨大AI企業が繰り出す独自のAIエージェントやAI実装の専門会社設立の動きを受けて、コンサル業界を取り巻く環境は風雲急を告げている。アクセンチュアにおいては、
ただ、コンサルファーム自身もAIの徹底活用に動き出している。アクセンチュアの冒頭の研修はその一環だ。社員研修を取りまとめる人事本部人材開発日本統括の小山理英子氏
研修ではほかにも、会議の録音やメモを基に規定のフォーマットに沿って議事録を自動で作成・整理してくれるエージェントや、コンサルタント特有の専門用語や難しい文章を小学生でも理解できるレベルにまでかみ砕いて要約してくれるエージェントなどが作られていた。参加者の1人は「所属していた大学院では(論文作成などで)生成AIを使うなと言われていたため最初はAIに対して警戒していたが、研修で社内情報やクライアント情報を入れてはいけない理由など、コンプライアンス的な部分を教育してもらったことで怖がりすぎずに使っていかなければならないとわかり、不安はなくなった」と話す。
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