東大生語る「算数が解けない」時の"NGな教え方" じっくり解くかせるか、速く答えを教えるか

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いかがでしょうか? 要するに、算数や数学は、最初から論理的に理解しようとしないほうがうまくいく、ということですね。「論理的に理解しろというのは土台無理なのだ」という数学の柳先生の言葉が、「じっくり」ではいけない理由を端的に表していると思います。

たしかに、よく考えてみると、「1+1=2なのはなぜ?」と言われても難しいですよね。「(-1)×(-1)=1なのはどうして?」と聞かれてもうまく答えられない人が多いと思いますし、「0に何をかけても0になる」って、考えてみるとよくわからないという人も多いと思います。

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数学をきちんと勉強している人であっても、ほとんどの人は論理的に説明できず、そういうものだと思って、計算しているのです。

逆に言えば、1+1=2を何度も何度も計算したうえで、「どうして、1+1=2なのか」ということを突き詰めて考えればいいのです。

公式を丸暗記したうえで成立する理由を理解

数学の公式もそうです。東大生に数学の勉強法を聞くと、大体の人が、まずは公式を丸暗記して、問題が出たら反射的にその公式を使って答えられる状態にしています。問題の解き方に慣れたうえで「じゃあ、この公式ってなんで成立するんだろう? どんな証明をすればいいのかな?」ということを考えて、理解していたという人がほとんどです。結局、何度かその公式を使った経験がないと、「なぜその公式が成立するのか」も考えられないですよね。

スポーツでも同じことが言えますよね。例えばテニスやゴルフで、1回もラケットやクラブを振ったことがない状態で「こういう振り方がいいんだよ。なぜかというと、ここに力が入ったほうが球が飛びやすいからで〜」と懇切丁寧に論理的に説明されても、おそらく最初は「よくわからない」と思います。

何度か見様見真似で実践したうえで、「実は今ボールがすごく飛んだのは、ここに力が入ったからだよ」と論理的に説明してもらうと、やっと「なるほど!」と納得できるようになるわけです。ぜひ、参考にしていただければと思います。

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西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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