大谷も立証、最新研究からわかった「長眠」の効果 起きている間に学んだことを脳に定着させる

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起きている間に極限まで自分自身を追い込むことで、夢の世界までも自分の成長に活用するのが、長眠なのです。

夢から覚めたら大技ができるように!

もう1つ、長眠のカギを握るのが、最新研究で明らかになってきた「浅いノンレム睡眠」の効果です。

睡眠は「レム睡眠」「浅いノンレム睡眠」「深いノンレム睡眠」の3つに大別されます。

このうち、「浅いノンレム睡眠」は睡眠全体の50〜60%を占めるにもかかわらず、これまでその働きについてはよく分かっていませんでした。「浅いノンレム睡眠」の最中に「睡眠紡錘波」と呼ばれる特殊な波形の脳波が現れることが知られています。

最新の研究では、この睡眠紡錘波が出ている間は、起きている間に学習したことを脳に定着させたり、運動神経を発達させたりする効果が高まっていることがわかってきました。

一般に「運動神経がいい」という言葉は運動能力が高い人のことを指しますが、脳科学の世界で「運動神経」は、脳からの指示を筋肉に伝える神経のことをいいます。

「浅いノンレム睡眠」は、まず脳が学んだ動きやちょっとしたコツをしっかりと脳内に定着させ、さらにその指示を素早く的確に筋肉へと伝える神経を成長させます。その結果、現実の練習で手に入れたり、夢の中のバーチャル練習でつかんだりしたスキルを、翌日以降も再現できる状態を作ってくれるわけです。

友人の新聞記者から、こんな話を聞いたことがあります。若手のスノーボード選手が最高難度の大技を習得しようとしていたときのこと。何カ月も練習していて、あと少しのところでできなかった大技に、彼は夢の中で初めて成功しました。目覚めて「なんだ、夢かぁ」とがっかりしていたら、翌朝から本当にその大技ができるようになっていたそうです。

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