「世界初の手術」成功した医師のシンプルな原動力 「名医ほど大きく切る」は患者のためにならない

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日本国内でも「世界で初めて内視鏡で心臓手術をした外科医」とNHKがニュースで報じてくれました。

いくら患者さんたちのためになる術式を開発しても、志をともにする仲間たちから評価されたとしても、それが時として旧態依然とした勢力からは認められず、排除の方向に向かわされることもあります。

新たな発見や開発は、それまで既得権益を有してきた人たちにとっては邪魔な存在でしかなかったりするのです。

でも、医師が対峙するべきは、自らの地位を得るための権力闘争などではなく、目の前にいる患者さんです。

私が「完全内視鏡下心臓手術」を行ったことをメディアが大きく報じてくれたことは、その思いを後押ししてくれました。

いつまでも満足感にひたっていてはいけない

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ただ、人は満足感を得ると心が満たされます。満たされたとき、それは一種の快感としてそこに浸り続けたくなります。

これだけ大きなプロジェクトを成功させたんだ。

こんないい取引先との商談をまとめたんだ。

いままでにない事業を立ち上げて軌道に乗せたんだ……。

すばらしい活躍をしたときこそ、すぐに次の一歩を踏み出しましょう。心が満たされた状態を続けていると、そこから抜け出せなくなり、いずれ周りからの期待とのギャップに心が苦しむことになります。

大きなチャンスをつかんだとき、成功をつかんだとき、それは心が次の成長のステップに進むための準備が整ったということです。その機会を逃してはいけません。

渡邊 剛 心臓外科医、ニューハート・ワタナベ国際病院総長

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わたなべ ごう / Go Watanabe

ドイツのハノーファー医科大学にて、ドイツ心臓外科の父と呼ばれるHans G Borst教授に学び、2年半の臨床留学中2000件にわたる心臓手術を経験。チーフレジデントとして、32歳で日本人最年少の心臓移植執刀医として活躍。41歳で金沢大学医学部の心肺・総合外科の教授となり、心臓アウェイク手術や、外科手術用ロボット「ダヴィンチ」を使った心臓手術など、日本で初めての手術を次々に成し遂げる。手術の成功率は99.6%。2014年5月、ニューハート・ワタナベ国際病院を開設し、総長として就任。「心臓外科のブラック・ジャック」と呼ばれる。

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