「世界初の手術」成功した医師のシンプルな原動力 「名医ほど大きく切る」は患者のためにならない

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でもその簡単なやり方は、医師側の視点でしか考えられていなかったものでした。患者さんにとっては、体に大きな負担をかけていた方法にほかなりません。

当たり前を疑わずに、これまでの方法の上であぐらをかいているようでは、患者さんが本当に望んでいることを実現することは不可能です。

当たり前と向き合いましょう。

その視点は、医療の現場だけで役に立つものではありません。必ず、新しく見えてくることがあるはずです。

「成功」こそが、次の挑戦の始まり

これまでのやり方を踏襲する。決まっていることをそのとおりにやる。それが、仕事のすべてだと思っている人が多くいます。

もちろん、1つひとつの作業を丁寧に行うことは大切なことですが、それだけでは、お客さんや仕事相手は充分には満足しない気がします。

なぜ、「このやり方でやれ」と教えられたのか? なぜ、「この決まりごと」があるのか? 誰が決めたのか? もっと、効率を上げ、質も高められるやり方があるのではないか。

私たちの生活は、格段に進歩してきました。

たとえば1953(昭和28)年にテレビが登場し、数年後にカラー放送が始まりました。その後、ビデオテープで録画ができるようになり、DⅤD、ブルーレイへと移行します。携帯電話の登場、スマートフォンへの進化。インターネットの普及と動画配信サイトの確立。そしてAIは、これからさらに進歩しようとしています。

それだけではなく、私たちの生活に直結する衣食住のレギュレーションも大きく変化してきました。

これは現状に甘んじることなく「もっといいやり方に変えられるのではないか」と、あくなき探求心を持った者が成し遂げてきたことです。

小切開手術を突き詰めながら、私も考えました。患者さんの体への負担をもっと軽くする手術方法はないのか、切開することなく手術はできないものか、と。

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