手順は次のとおり。ウォレットを開き、「ウォレットに追加」ボタンをタップしたあと、「写真」を選択する。すると、Google フォトが開くので、該当するQRコードやバーコードの画像を選択。後は名前や説明を付け加えれば、簡単にウォレットに登録される。必要になったときにスクリーンショットやメールからいちいち探すより素早く呼び出せるため、覚えておくといいだろう。
海外の交通系ICも登録できる
先に述べたように、NFCによるタッチ決済は海外で普及しており、公共交通機関の一部もこれを採用している。日本国内限定のFeliCaを使ったサービスとは異なり、グローバルで利用できるのは魅力的だ。海外旅行、海外出張の際に活躍する。
利用が進んだ国では、ほぼスマホだけで支払いが済んでしまうこともある。実際、筆者が2月にスペイン・バルセロナを取材のために訪れた際には、現金は1ユーロも使わなかった。一部金額によってはカードが必要なケースもあったが、スマホだけで済むことのほうが多い。5月にアメリカ・カリフォルニア州マウンテンビューを訪れたときも、NFCのタッチ決済だけでほとんどの支払いができた。
一方で、日本のSuicaのように、独自の交通系ICを導入している国や地域も存在する。上記のカリフォルニア州にあるベイエリアも、そんな場所の1つ。同地域では「Clipper」と呼ばれる交通系ICがあり、電車やバスに乗ることができる。アメリカでは、ワシントンDCやシカゴも独自の交通系ICを導入している。
現地に着いてからカードを購入する手もあるが、こうした地域に旅行、出張で行く際に、事前の準備として日本でスマホに入れておけると便利だ。実はウォレットアプリは、こうした交通系ICの一部にも対応しており、それが可能。ただし、現状ではウォレットアプリ単体で、交通系ICの新規発行はできない仕様になっている。
裏技的だが、これを解決するにはGoogle マップを使うのが手っ取り早い。例えばサンフランシスコの場合、同市内の適当な2地点を選んで経路を検索し、電車やバスのタブをタップする。すると、経路の途中に「スマートフォンで運賃を支払う」というボタンが表示される。
ここをタップするとウォレットに飛び、Clipperを新規発行できる。チャージにはウォレットに登録した日本のクレジットカードも利用できた。同様に、ワシントンDCでも、同じ手順で「SmarTrip」という交通系ICを発行することが可能だった。手順が少々トリッキーだが、現地についてすぐに電車やバスに乗れる利便性は高い。
ただし、シカゴの「Ventra」は同様の手順では新規発行ができず、アプリも日本のアカウントではダウンロードできなかった。地域によっては、できないこともあるようだ。また、ロンドンやニューヨーク、シドニーなど、クレジットカードのタッチ決済で直接乗車できる国や地域も増えている。海外渡航の際には、こうした手段が使えるかどうかもチェックしておくといいだろう。
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