圧倒的な成功者は「無遠慮で嫌なヤツ」ばかり ジョブズ、マスク、ベゾスを見ればわかる

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アイザックソンはジョブズについて、「周囲を不快にさせる必要はなかった。その性格は、本人にとって役に立つというより障害になっていた」と書いている。

同じように、マスクと働く人物はヴァンスに次のように語っている。「彼はとても紳士で誠実なときもあれば、人に無駄に厳しくあたるときもある」。

アマゾンでは、ベゾスが癇癪を起こすと「気がふれた」とささやかれるようになった。「そういうときは大げさで、残酷にさえなった」と、ストーンは書いている。「従業員に辛辣な非難を浴びせるときもあった」。

非凡な才能は欠点を隠す

ほかの場面では才気あふれる人たちが、なぜこのように破壊的な振る舞いをするのだろうか。

最初の答えは、そういう振る舞いが可能だからだ。たぐいまれな才能は多くの罪を隠す。素晴らしい製品はあくまでも素晴らしい製品であり、すべてにおいて正しくなくても成功できる。ソーセージがおいしければ、大半の客は作り方を気にしない。

さらに、従業員は、ビジョナリーのもとで働くために喜んで大きな犠牲を払う。マスクもベゾスも、過去形ではあるがジョブズも、情熱にあふれ、人々を奮い立たせ、カリスマ性のあるリーダーだ。

「本書のために話を聞いた多くの人が、労働時間や、マスクの無遠慮なところ、ときどき滑稽なほど大きな期待を抱くことを非難した。それでも、ほぼすべての人が、クビにされた人たちでさえ、今もマスクを崇拝していて、スーパーヒーローや神を語るような言葉で彼について語った」と、ヴァンスは書いている。

そして、ある程度の経済的成功を収め、その結果として力を手にした人は、普通の礼儀や人間性さえ無視するような振る舞いが事実上、容認されるときがある。

ジョブズは車にナンバープレートをつけず、たびたび身障者用のスペースに駐車した。アイブは次のように語っている。「彼は、自分にはそのようなことをする自由も資格もあると思っているのだろう。普通の社会的な約束事は自分にはあてはまらない、と」

次ページ時に浴びせられる辛辣な言葉
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