7月に入ると気温がぐんぐんと高くなり、熱中症やそれに伴う脱水症状が心配される時期になります。外出する機会の多いビジネスパーソンは、冷房の効いたオフィス内の温度と外の温度とのギャップで汗をかき、体の水分が急激に奪われがちです。
人の体は、男性が約60%、女性は約55%が水分でできています。具体的な量に換算すると、体重が約70キロの人で42リットルに相当しますね。そこから、約2~2.5リットルが毎日汗や尿などで排出されるので、食事や飲料などで同程度の水分を補給しなければなりません。
しかし、水分が摂取できる場所は基本的に口からの飲食だけなのに対し、水分の排泄は、汗、尿、便、呼吸と4つの経路があるため、特に外出が多いビジネスパーソンは、たくさん水を飲んでいるつもりでも、補給が追いついていない状況に陥っているかもしれません。
「のどが渇いた」と思ってからでは遅い?
夏に汗をかくのは、生物界では人間だけ。暑い気候を乗り切れるよう、体を自然に冷却するシステムとして汗をかくのです。暑いときに汗だくになるのは健康な証拠とも言えるでしょう。
生理学上、体重の約2%の水分が汗で流れ出ることを「脱水症状」と言いますが、夏の炎天下に長時間いると、体重50キロの人で1リットル(2%)ぐらいの水分は、すぐに汗で流れ出てしまうものなのです。
そして1時間以上汗をかき続けていると、水分を補給しても身体が吸収するスピードより排出するスピードのほうが速くなることも。余計に汗が出てきたり、トイレが近くなったりしてしまうことで、体内の水分量が一向に増えない状況に陥る可能性すらあります。
実際に「のどが渇いた!」と思ってから水をゴクゴク飲むレベルでは、必要量の30%ほどしか水分を補給できていない場合があります。汗だくになったときにしっかり水分補給するのはもちろんのこと、この時期は普段から体内の水分調節に気を遣いたいですね。
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