岸博幸氏「高齢者の社会保険料」一律支援は限界だ 治療の費用で実感した事、インタビュー後編

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今の時代は、何かあるとすぐネットでみんな調べるじゃないですか。これをやってると、自分の頭で考えることができなくなっちゃう。そういう人は新しいアイデアを出せなくて、結局ネットの情報の受け売りで終わっちゃいます。

いろんな研究で証明されているけれど、本をじっくり読むとか、デジタルがまったくない環境のなかで自分の頭で考えるとか、そういうことをやるといいと思います。

――言うはやすくという感じです。

使っちゃダメって言っているわけではなくて、デジタルを使いこなす部分と、デジタルから離れる部分の両方を強化することが大事です。

そういう意味では、現代の人って昔の人に比べてすごく大変です。

電車の中では絶対にスマホを見ない!

――具体的なアドバイスはありますか?

かなりトレーニングをしないといけません。

現代人はスマホのせいで集中力がそがれていますから、最初は10分も集中できないと思います。だから、まずは15分、ネットもスマホも切って、頭で考えてみる。これができるようになったら、次はそれを30分に延ばす。

岸博幸 経済評論家 余命10年
岸博幸さん(撮影:今井康一)

あとは電車に乗っている時間、あるいは電車の待ち時間のスマホ断ちですね。みんなすぐにスマホ見るじゃないですか、あれを耐える。こういう何もやることがないときに頭を使うのって、すごく大事なんです。ちなみに僕は電車の中では絶対、スマホを見ません。

大事なのは、触っていい時間と触っちゃいけない時間を自分で決めて、触ってはいけない時間は誘惑に耐える、ということ。

スマホで暇つぶしするのに慣れてしまって、プライベートでそれをやってると、仕事中にやりたくなる。そういう人間が仕事で集中できるはずがないんですよ。

――そうやって生産性を上げていけば、収入も、蓄えも増える。それが現役世代のリスクマネジメントですね。投資はダメですか?

最近は新NISAも始まって、投資ブームになって、株で資産を増やそうという人も多いけれど、これはリスクが高いからダメです。金融の世界にずっと関わってるぼくの経験から断言しますが、資産運用だけで稼ぎ続けられることができるのは、ごく一部のラッキーな人たちです。

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