「バルミューダとパナソニック」失速した根本原因 家電で稼ぐのは至難の業、大手と中堅で温度差
人口減少によって国内家電市場が緩やかに縮小していく中、家電メーカー各社の戦略は二分されつつある。
バルミューダや象印のような新興・中堅の家電メーカーは、それぞれが得意とする製品の付加価値を高め、大手メーカーが手薄なマーケットでシェアを伸ばそうとしている。
例えばバルミューダは2023年にホットプレートの新製品を発売した。実勢価格で3.3万円程度の高級機種だが、「中高年の男性を中心に、お金に余裕のある層に受けている」(同社)という。同じ価格帯に既存メーカーの製品がなかったこともあり、発売から1週間で5000台を売り上げた。
パナソニックはPB受託製造に意欲
一方で、洗濯機や冷蔵庫など大型家電が中心の大手家電メーカーの間では他社との協業や、パートナーを模索する動きが広がっている。
パナソニックは、量販店などの小売業者が展開するプライベートブランド製品の受託製造を開始する構えだ。日立製作所は国内家電事業会社の資本構成変更も含めて、すでにパートナー探しを進めている。
三菱電機は東洋経済の取材に対し書面で「機器単体での販売から家電の使用状況や運転データなどを活用したソリューションを展開していく中で、各社との連携や協業を図る可能性はあり得る」と回答した。
大手企業は海外投資家などから「営業利益率10%以上」といった目標を突きつけられ、半ば強制的に収益性の低い事業の再編を求められている。このまま収益性が低い状況が続けば、将来的な成長性の乏しい国内家電事業は再編の対象となる可能性が高いだろう。
消費者1人ひとりの生活を支える家電で国内メーカーは生き残れるのか。それとも台頭している中国など海外メーカーに市場を明け渡すことになるのか。各メーカーに残された時間は少ない。
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