「111年の伝統と、111年の革新」を掲げる伊東屋。新本店の「G.Itoya銀座・伊東屋」は、提案型の店舗へと大きく生まれ変わりました。旧本店も多層階であることを生かし、カード・はがき、事務用品、クラフト用品など、商品のジャンルごとに階を分けていましたが、新本店は「SENSE」「DESK」「MEETING」「HOME」など、シーンごとに分割。木目と白を基調とした店内は、ニトリやイケアのようなホームファッションストアに近く、売場ともモデルルームともつかない不思議な空間になっています。
リアルなデスクと付箋メモ、秀逸なシーンの提案
たとえば4階の「MEETING」。フロアの真ん中にはオフィス用デスクが島ひとつ分、どーんと置かれており、そこに筆記用具やノート類が無造作に並びます。また、付箋にアイデアを書いてはペタペタ貼っていく会議でおなじみの、ブレストの光景がホワイトボードに貼り出され、これがリアルさを際立たせています。壁面に並べられたこだわりノートやファイル類はきちんと色分けされ、好みのものを選びやすいのも特徴。オリジナルのノートを作ってくれるサービスもあります。
豊かな品ぞろえだけでなく、使うシーンを想定しやすい売り場づくり。どの階層からもそういったコンセプトが感じ取れます。
2階の「SHARE」も面白い試みです。便箋や封筒・はがき、郵送可能なプチギフトを揃えたフロアですが、窓側にある「Write & Post」コーナーでは購入したはがきや便箋で手紙をその場で書き、オリジナルデザインの切手を貼って投函することができます。電子メールやLINEのメッセージで済ませることが多い昨今、手紙を書くという行為に改めてスポットを当てた文房具専門店ならではの提案です。
ビジネスパーソンが最も多かったフロアが3階の「DESK」。カウンターの前には約700本の筆記具がずらりと並べられ、すべて試し書きができるようになっています。100円台のシャープペンシルから、数千円のデザイン性が高いボールペンや万年筆も試せることから、多くの男性があれこれと手に取っていました。
ちなみにモンブランや蒔絵の万年筆などの高級筆記具は、本店から1本奥に入ったあずま通り沿いに2012年10月にオープンしたK.Itoyaにあります。同店は万年筆、画材、地球儀、印刷・印章などを扱う大人の隠れ家。地下は絵画の個展などが開けるギャラリーにもなっていて、じっくりとお気に入りを探せる空間です。
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