トヨタは、中国ネット大手の騰訊控股(テンセント)と、AIのビッグモデル、デジタルエコロジー、クラウドの3分野で協力し、2024年中に共同開発したサービスを搭載する車両を投入。また、自動運転テック企業の小馬智行(Pony.ai)と協力してロボタクシーサービスを展開するなど、スマート化への転換を加速する。
多様な動力源に備えるソリューションを提供する、トヨタの「マルチパスウェイ」戦略に対し、ホンダは2030年以降、中国でエンジン車をハイブリッド車やBEVなどの電動車に切り替える「脱エンジン」路線を取っている。
またホンダは、2019年にアリババAIラボが開発した音声AIアシスタント(スマートスピーカー)、「天猫精霊」を導入し、スマートキャビン技術に着目し始めた。
2025年にはBEVの新ブランド「燁(イエ)シリーズ」に、ファーウェイの車載ディスプレー、航盛電子のコックピット、科大訊飛(iFLYTEK)の音声認識技術を採用すると発表している。
日産自動車は、中国の検索エンジン大手、百度(バイドゥ)と協業し、AIソリューションの強化や新たなスマートモビリティ体験の提供を図ろうとしている。また、合弁パートナーである東風汽車のリソースを活用し、2026年までに中国消費者の嗜好に合った電動車5モデルを導入する計画だ。
ヨーロッパ勢はすでに中国メーカーを活用
一方、ヨーロッパ勢は、すでに中国新興BEVメーカーの技術を活用し、自社開発プロセスの短縮や製品力の向上を図っている。
ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)は、2023年7月に7億米ドルで小鵬汽車(Xpeng=シャオペン)株式の4.99%を取得すると発表。Xpengのプラットフォームを活用するBEVを、2026年に投入する。
プジョー、フィアット、オペル、クライスラーなど10以上のブランドを有するステランティスは、2023年末に零跑汽車(Leapmotor=リープ自動車)に15億ユーロを出資した。中国のBEVサプライチェーンを活用し、自社の製造力や販売網を生かしてグローバルでのBEV事業拡大を目指す。
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