テスラ、運転支援システム「FSD」を中国に投入へ 中国政府のデータセキュリティ要件をクリア

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中国はテスラにとって最大の市場であり、FSDの投入はイーロン・マスクCEOの悲願だった(写真はテスラの中国向けウェブサイトより)

アメリカのEV(電気自動車)大手のテスラが、オプション機能として提供する高度な運転支援システム「FSD(フル・セルフ・ドライビング)」。その中国市場への投入が実現に近づいている。

テスラ中国法人のウェブサイトでは、4月29日、FSDの購入申し込み画面の表示が「リリースまでお待ちください」から「まもなくリリース」に切り替わった。また、中国のネット上では、テスラが(同社製EVのオーナーに対して)FSDの先行試用の希望者を募集したという噂が流れた。

FSDは、テスラ車が搭載する運転支援システム「オートパイロット」を大幅に進化させたものだ。2020年10月にアメリカの一部のオーナー向けにベータ版をリリースしてから、これまでに11回のメジャー・アップデートを重ねてきた。テスラはFSDのさらなる改良により、最終的には完全自動運転の実現を目指す。

地図情報で「百度」と提携

財新記者の取材に応じた関係者によれば、テスラは中国のネットサービス大手の百度(バイドゥ)と地図情報に関する提携に合意し、中国政府の所管部門の要件をクリアしたという。

百度は4月22日、テスラが「百度地図」の最新バージョンを他社に先駆けて5月にも搭載すると明かした。ただし、テスラはこの情報に関するコメントを避けていた。

翌4月23日、テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は2024年1~3月期の決算説明会で次のように発言した。

「FSDはほぼすべての国(の路上)で正常に機能し、(国別の)手直しをする必要はない。どこの国であれ、現地政府の所管部門の認可が得られれば、テスラは所管部門の監督の下で(合法的に)FSDをリリースする。私の認識では、そのなかに中国も含まれている」

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