テスラ、中国市場で「アメリカ製EV」の受注を停止 米中貿易戦争が長引けば中国事業に深い痛手も

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テスラの中国事業は米中貿易戦争の激化により困難な舵取りを迫られている。写真は中国市場での受注を停止した「モデルX」(同社中国法人のウェブサイトより)

アメリカのEV(電気自動車)大手のテスラは4月11日、中国市場で販売していた2車種のアメリカ製EVの受注を停止した。アメリカのドナルド・トランプ大統領が仕掛けた“関税戦争”により、アメリカから中国に輸入するEVの大幅値上げが避けられなくなったためだ。

受注停止の対象は高級セダン「モデルS」と大型SUV「モデルX」で、テスラ中国法人のウェブサイトから購入申し込みページが削除された。これにより、同社が中国市場で販売するEVは現地生産している小型セダン「モデル3」と小型SUV「モデルY」だけになった。

カリフォルニア工場製の2車種

テスラは現在、アメリカのカリフォルニア州とテキサス州、中国の上海、ドイツのベルリンに合計4つのEV工場を持つ。モデルSとモデルXはそのうちカリフォルニア工場だけで生産しており、中国市場では完成車を輸入して販売していた。

トランプ政権は2025年1月の発足後、アメリカに輸入される中国製品のほとんどを対象に追加関税を課し、税率を何度も引き上げた。中国政府はそれに対抗措置で応じ、(4月中旬時点で)アメリカが中国製品に課す関税率は145%、中国がアメリカ製品に課す関税率は125%に達している。

「目下の関税率では、アメリカからの輸入製品が中国市場で受け入れられる可能性はもはやない」。中国政府の国務院関税税則委員会は、4月11日に発表した声明の中でそう言い切った。

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