そんな同線の輸送を担うのは、丸っこいスタイルの黄色い電車「600形」だ。
もともと大牟田線(現・天神大牟田線)の車両として1962年に初登場した片側3ドア・ロングシートの通勤電車で、計57両が造られた。1962年といえば、プロ野球の「西鉄ライオンズ」(現・埼玉西武ライオンズ)が福岡を沸かせていたころだ。
600形は大牟田線の主力車両として活躍を続けた後、1990~1991年度にまず11両が宮地岳線(現・貝塚線)に転籍。その後も旧型車両を置き換えるために転籍が進み、2015年1月に最後まで残った旧型車の引退によって貝塚線の車両は600形に統一された。天神大牟田線からはすでに引退しており、現在600形が走るのは貝塚線だけだ。
貝塚線には2両編成8本・16両が所属。正面のライトの配置などデザインは登場時から変化しているが、全体に丸みのあるボディは昭和の電車らしい雰囲気だ。メンテナンスによって車両は美しく維持されており、「レトロ」感はあっても古びた感じはない。
台車を交換、運転に違いは?
貝塚線を走る600形は、天神大牟田線で活躍していた時代とはさまざまな違いがある。一目でわかるのは「色」だ。
天神大牟田線の通勤電車は、銀色のステンレス車両を除けばアイスグリーン(水色)にボンレッド(赤)のラインが入った塗装でおなじみだ。600形も貝塚線に移る前はこの色で、転籍の際に現在のオキサイドイエロー(黄色)にボンレッドのカラーリングに塗り替えた。これはかつての大牟田線特急車両「2000形」と同じ色で、宮地岳線・貝塚線の車両で長年親しまれている塗装だ。
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